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トゥールナント~コルビジェのlc7チェアとは~
1928年にlc2など後世に残る数多くのデザインを発表したル・コルビジェ。
その1年後。1929年、パリで行われたサロン・ドートンヌ(日本語で“秋の展覧会”。2016年現在リニューアルオープンしているサマリテーヌ百貨店をパトロンとし、有名な画家らが参加したことで生まれた美術展覧会)にて、コルビジェの名を更に広める家具が出展されました。 lc7。後にコルビジェの傑作の1つに数えられる、スウィベルチェアの登場です。 その名の通りスウィベル(回転する)機能を持ったこの椅子は、見た目のモダンな美しさも相まって現代でも世界中から愛されるチェアとなっています。 今回は、モダンなダイニングにもぴったりなこのスウィベルチェアについてご紹介していきたいと思います。 ◆肉厚で座っても疲れない椅子LC7の詳細はこちら
デザインはまさに無駄のない機能美。背もたれと肘掛けはUの字型に繋がっていて、円形の座面に沿うように配置されています。 そしてシート部分はそのまま360度回転出来、非常に使い勝手の良い椅子としてデザインされおり、4本の脚のバランスも合わせてとても美しいデザインです。 シャルロット・ぺリアン、ピエール・ジャンヌレとの共同作品でもあるこのチェアは、画家でもあったル・コルビジェが追究していたピュリスム(純粋主義)の影響を多分に受けた作品と言えます。 「垂直」であること。「水平」であること。「直角」であること。そして「回転」すること。 これら全てが取り入れられた作品こそが、コルビジェのlc7、スウィベルチェアなのです。 小型ではあるものの、その圧倒的な存在感と佇まいは今日も世界中のコルビジェファンを魅了し続けています。 現代においては、特にオフィス内装でも人気の傾向にあるコルビジェ家具。 過去の作品ではあるものの、現代にも通用するデザインを生み出したル・コルビジェらは常々どのような思考で生きていたのでしょうね。 ◆まとめ
以上、コルビジェのlc7スウィベルチェアについてご紹介してまいりました。 少し話は逸れますが、現代においても、建築に携わる人、特に設計する人や、寸法について良くご存知の方々は総じて絵が上手な傾向にある気がします。 ちょっとした用事があって、壮年の大工の方に家の屋根の絵を描いてもらったところ、いっそ仕上げれば完璧なイラストになりそうな立派な入母屋屋根を描いて下さって驚いた記憶があります。 ル・コルビジェもまた画家であり、デザイナーでありと、1つのみならず才能を発揮して名を残しました。 1つの道のみを極めるのではなく、2つ、あるいはもっと多くの専門的分野に関わることで、掛け算のようにその経験を生かして新たなものを創造するのが名を残す人の凄いところなのかな、と思ったりしました。 関連記事 |