品質の良い家具は見た目が美しく機能的で、そして何十年と使用できる品質の良さが大きな魅力です。
もちろんそれらは、大手量販店で販売されているような家具に比べれば高い値段となっています。
しかし、大量生産されている安い家具を購入してもすぐに壊れてしまったり、「安い」という理由で買っていると愛着が湧き辛かったり、飽きたりと、結局数年で買い替えることになりがちです。

長い目で見るとこれは「安物買いの銭失い」そのものなのです。

反対に高品質な家具は最初に払うお金は多くても耐久性があり、アフターサービスも充実、そして飽きることの無い美しいデザインで長い間使用できます。
人生を共にする、と言っても過言ではありません。

特に時代を超えて愛されているデザイナーズ家具はその最たるものでしょう。
半世紀前のデザイナーによる家具が現在も値崩れすること無く、しかもヴィンテージ家具という括りでもなく、未だにモダンな感性を感じさせる美しさと品質を誇り、世界中の多くの人々に愛用されているのです。

今回は世界を代表するデザイナーによるいくつかの名作と、それらデザイナーズ家具を使ったモダンでハイクオリティなインテリアスタイルを紹介します。

まずは椅子カテゴリからデザイナーズ家具を見ていきましょう。椅子は生活の中のあらゆるシーンで使用する必須アイテムです。
ダイニングルームやリビングルーム、書斎や子供の勉強部屋、ドレッサーや洗面台の前、そして玄関で…というように。
もちろん住宅だけでなく、オフィスやカフェなどの商業施設でも使われていますね。

このように生活に必須の椅子ですが、正しく設計された椅子を使用しないと腰に負担がかかり、腰痛の原因となります。
長時間のデスクワークを行うオフィスワーカーに腰痛持ちが多いのは、姿勢の悪さを助長する粗悪な椅子を使用していることが大きな原因のひとつと考えられます。

その点、デザイナーズチェアは人間工学に基づいたデザインで正しく身体を支え、長時間座っても負担がかからない快適な座り心地を約束します。
機能性と実用性だけなく、見た目の美しさとインテリアのアクセントとなるアイコニックな存在感もデザイナーズチェアの大きな魅力です。

中でも有名なデザイナーズチェアと言えば、家具デザインにあまり詳しくないという方も一度はどこかで見かけたことがあるであろう、アメリカ人デザイナーのチャールズ＆レイ・イームズ夫妻による「シェルチェア」です。

この椅子が最初に制作されたのは1950年。
なんと60年以上も前のこと！各色揃ったカラフルな背座面とナチュラルな天然木の細い脚が特徴で、決して奇をてらったデザインはないのに、なぜか印象に残る存在感を持っています。
もちろん見た目のアイコニックさだけではなく、デザイナーズ家具の本領である機能性も抜群。座面から背もたれへ続く滑らかなラインはしなりながら身体に優しくフィットして、長時間座っても腰に負担を与えません。

洗練されたデザイナーズチェアはどんなインテリアスタイルにも合います。
例えば、モダンスタイルやミニマルスタイルが好きな方は、シェルチェアの白または黒を選びましょう。
装飾が少ないこの二つのスタイルは、下手をすると空間の空きが多く寂しい雰囲気になることもありますが、このシェルチェアを加えれば空間のアイキャッチとなり、ミニマルでもメリハリのある洗練されたインテリアスタイルとなります。

北欧スタイルが好きな方や、お子さんがいる家庭には赤やブルーなどポップな色のシェルチェアがおすすめです。
カラフルな色がアクセントに、お部屋を明るく快活な雰囲気にしてくれます。
ダイニングテーブルに合わせる椅子を全て違う色にするのも楽しいですよ。
色をたくさん使っても決して子供っぽいチープな印象にならないのが、デザイナーズ家具の凄いところです。

続いてはリラックスできるリビング作りに必須のソファを見ていきましょう。デザイナーズ家具を使用したインテリアスタイルを考えている場合、まずソファから選ぶという方も多いかもしれません。
このカテゴリで取り上げるデザイナーはスイス出身のル・コルビジェです。近代建築の三大巨匠のひとり、そして20世紀の伝説的デザイナーとも謳われる氏がデザインした代表的なソファがこちらです。

特徴は肉厚な座面と繊細な金属フレームの組み合わせ。重厚感と高級感がありつつ、この繊細なフレームと脚によって、まるで浮いているかのような軽やかさが加わりました。この抜け感のある軽さが、完璧な美とリラックス感の絶妙なバランスを生み出しているのです。
高級感のあるデザイナーズソファは、最初は近寄り難いと感じる方もいるかもしれません。しかし表面に触れ、身体をゆったり預けてみると、その心地良さと快適性に心からのリラックスが叶うはずです。
デザイナーズソファは洗練されたデザインでインテリアの主役となるアイテムです。他の要素は抑えてソファを引き立たせると、全体が調和したバランスの良いインテリアスタイルとなりますよ。

ソファのお供に、ちょっとした書き物に、飲み物やリモコンを置いたり。コンパクトなコーヒーテーブルは補助的な役割ながら、無ければ不便なアイテムです。
特にそれが折り畳み可能なテーブルなら、部屋を広く使いたいときや掃除の際は畳んで収納し、友人が集まるカジュアルなパーティーではダイニングテーブル以外のエクストラのテーブルとして登場させたりと、フレキシブルに活用できるのが魅力です。

そしてもちろん、それが美しく洗練されたデザインならより嬉しいですよね。
そんなコーヒーテーブルが実は…あります！しかもデザイナーは日本人の新居猛（にい・たけし）です。氏がデザインした家具は国内ではグッドデザイン賞を何度も受賞し、「ニーチェアシリーズ」はニューヨークの近代美術館MoMAに収められているという、世界を舞台に活躍したデザイナーです。

氏による折り畳み式のコーヒーテーブルがこちら。普段見慣れた折り畳みテーブルとは一線を画す洗練されたデザインながら、とても親しみやすく可愛らしさすら感じる印象です。２シーターソファにぴったりのサイズと適度な高さ、そして絶妙な角度のカーブがついた天板が優しげで、そっと寄り添ってくれるような穏やかな雰囲気をまとっています。
デザイナーズ家具は空間の主役となる研ぎすまされた美しさと存在感を持っていますが、このように目的と機能によっては、三歩下がってユーザーを支えてくれるような奥ゆかしさもあるのです。

他にも様々な魅力を持つデザイナーズテーブルをこちらで見ることができます。

このようにデザイナーズ家具は機能性と実用性、普遍の審美性を兼ね備えた家具です。
たった一脚のデザイナーズチェアが空間全体の印象を変えてしまう程の美的パワーと影響力を持ちながら、ユーザーの快適性や利便性といった実用的な機能も最高レベルという、ハイクオリティなインテリア作りには欠かせないアイテムなのです。
あなたのインテリアスタイルをクラスアップさせるデザイナーズ家具、ぜひインテリアにひとつ取り入れてみて下さい。きっとその魅力に虜になるはずです。