ホームシアターに最適なソファをプロの視点から選ぶ
テレビがデジタル化されて、東京オリンピックの頃には、4K、8Kの時代を迎えようとしています。
同時に、テレビの大きさも32型からさらに40型が中心に。まさにリビングは「プライベートシアター」と呼ぶのに相応しい時代になりました。
言ってみれば、リビングの新しい用途が生まれたわけですから、ソファの選び方もおのずと違って来ます。
プライベートシアターに向いたソファとは?
■じっくり観る派ならハイバック
映画1本は、100分以上はあるわけですから、椅子は重要です。
実際の映画館の椅子も、昔と比べたらずいぶん良くなりました。
ひと昔前なら、椅子のキシむ音もまた映画館の趣のひとつでしたが、今時は、ミニシアターでも、かなり椅子の質を重視しています。
共通しているのがハイバック。
背もたれ部分の高さです。
例えば、自動車でも、軽自動車とクラウンなどの高級車のシートでは、背もたれの大きさが異なります。
座部よりも、背もたれの大きさが、長丁場では、大事な「くつろぎ」の要素になります。
ひとりなら、贅沢にこんなソファも・・・
例えば2人であっても、こんなソファを2つ並べたら、何本でも続けていけそうですね!
ハイバックのソファは、座部にかかる負担も長時間用に考慮されているので、
■映画館とシアタールームの違い
プライベイトシアターと、映画館の違いは、途中退席が自由自在なことと、飲食が自由自在なこと。
それは、ミニシアターでも、ポップコーンは許されていますが、さすがにワインを飲みながら、というわけにはいきません。
好きな映画を観ながら、好きなワインをかたむける。これぞ至福の時でしょう。
それなら、足も投げ出して、思いっきりくつろいで‥‥‥
シアター以外の時は、普通のソファに早変わり。
なかなかの優れものです。
■いまさら聞けない『サラウンド』の話
映画館とプライベートシアターの大きな違いに『音響』があります。
よくテレビのCMなどでも「サラウンド」という言葉を耳にしますが、なんとなく「映画館みたいに迫力のある音」と解釈している方が少なくないのではないでしょうか。
当たらずとも遠からず。
映画のエンドロールをよく観ていると、
最後に『DOLBY SORROUND』、または『DOLBY DIGITAL』というロゴが表示されます。
これは米・ドルビー研究所が開発した映画用音場システムで
、ようするに臨場感を出すために、スピーカーごとの音の配分をコントロールしているもの。
よくよく観ると、DVDやブルーレイにも、ほぼ100%入っています。
つまり、家庭で観るDVDにも、映画館とほぼ同等の臨場感が得られるよう、記録されているわけです。
ある意味、
サラウンドで再生しない人は、DVD料金の2割くらいは「損している」ことになるかも知れません。
■サラウンド再生と最適なソファ位置
サラウンドには、2.1chと5.1chがあります。
ドルビーデジタルの場合、データとしては映画館と同等の7.1chまで入っていますが、そういった話は、オーディオの専門サイトにまかせるとして。
この数字は、そのままスピーカーの数で、2.1chは、スピーカー2個+低音用スピーカー1個。
ここまでは、テレビだけで再生できるものも少なくありません。
5.1chは、スピーカー5個+低音用スピーカー1個。
プライベイトシアターで最も用いられているもので、リビングをシアターにするなら、ぜひともお薦めしたいスタイルです。
一般のテレビ番組でも、5.1ch対応しているものは少なくありませんから、テレビライフそのものが変わること請け合い!はっきり言って別次元です。
実は、このスピーカーの位置が、「規格として決められている」ことを知っている方は多くはありません。
前のスピーカーは、すべて正面からの音ですから、あまり関係ないのですが、後部のスピーカーは110°、つまりソファに対して30°の角度で後ろにあるのが、最もサラウンド効果が楽しめる位置です。
詳しいことは、サラウンドシステムの説明書をご覧いただけばいいことなのですが、インテリアのレイアウトとしては、「多人数になるほどスピーカーと離れる」がセオリーです。
サラウンドシステムの場合、低音部はスーパーウーファー1つが担当しているので、後ろのスピーカーにやたら近いと、けっこううるさい思いをしなくてはなりません。
1人掛けと、2人掛け以上の多人数では、ソファと後部スピーカーとの位置は異なって来ます。
■軽めのダイニングソファで「横見」を避ける
家族4人以上のソファは、たいていテレビに対して横に座るようにレイアウトされます。
そうしないと、2人はテレビを背後にしてしまいますから、当然。
けれど、大画面でシアターを楽しむには、横見は不便ですし、目にも余りよろしくありません。
そこで、ダイニングの椅子を軽めのソファスタイルにしてしまい、シアター用の椅子を兼ねてしまう、という手があります。
こちらは、2人掛けで重量わずか6kg。用途に合わせて自在に移動することができます。
肘掛け付きなら、こちらのモデル。
これならリビングソファにも、そのまま使えます。
これで家族全員、正面から映画をお楽しみいただけるでしょう。
なんにせよ、目的のある部屋づくりは、楽しいものです。
シアタールームづくり、チャレンジしてみては?
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