カレンダー
平日10:00~18:00 |
PU合皮は本皮を超える!?賢いソファの選び方
ご存知のように、ソファの生地には、本革・合皮・ファブリック(布地)の3種類があります。 特に最近、進歩が著しいのが合皮。 ひと昔前なら、合革と本皮の差は価格で、その違いは明確でしたが今や素人目には区別がつきません。 本革には本革の長所、合皮には合皮の長所がありますが、さて、選ぶならどっち? ■本革と合皮
厳密に言うと『合皮』は、製法によって合成皮革(ごうせいひかく)、人工皮革(じんこうひかく)とがありますが、ソファについては、まとめて「合皮」と略されることが多いようです。
素材としてポピュラーなのはPVC(ポリ塩化ビフェニール製)、通気性と柔軟性を持たせたPU(ポリウレタン製)等があります。
(近年になって、合皮最大の弱点でもあった耐久性を併せ持つ素材も登場していますが、まだ普及には至らず本革より高価です)
合皮は、ひたすら「革」を目指して来たわけですから、逆に言うなら、革が素材としていかに優れていたかが分かります。 特にソファにおいては、人間の体重を支え、高級感と座り心地、上級な肌触りを与えてくれます。 <高級本革『セミアリニン』仕様のソファ>
ただし、革は「生きている」ので、お手入れは面倒です。
水拭きは厳禁! また、よく言われている牛乳、ハンドクリーム、靴磨きクリームなども実は誤ったお手入れ方法。行ってはいけません。 科学雑巾、最近流行りのアルカリ電解水も革製品には使わないよう注意書きされています。 基本は、風通しがよく日の当たらない所に置き、乾拭きが原則です。 この点で、合皮は水拭きも可能で、お手入れはグンと楽になります。 特にお子様がいらっしゃるご家庭には向いていると言えるでしょう。 <PVC、PUともに水拭きが可能> ■合皮の誕生と歴史
昨今の合皮は、非常によくできていて、触っても簡単に本革との区別がつかなくなりました。
ネットには「本革と合皮」の見分け方を享受するページが溢れています。 押してみたり、嗅いでみたりと、方法は様々ですが、それほどまでに本革に近づいているわけです。 合皮が誕生した「そもそもの理由」が、革の持つ高級感と耐久性を、安価に提供することですから、合皮がどんどん本革に近づいて行くのは当然の流れでしょう。 <合皮のソファ>
ソファの場合は、本革=牛革のことですが、他の革製品には羊皮やワニ皮、ヘビなどもあります。
たとえば羊皮や山羊皮は、牛革よりもずっと柔らかくシットリとした感触が特徴ですが、いかんせん大きさに限度がある上、牛革に比べ耐久性に乏しく、ソファや車のシートなどの「大物」には向きません。 なにより、他の生き物の命と引き換えにしていることは(たとえ食肉の副産物だとしても)、皮製品に共通していることですから、なんとかそれを人工的に大量生産したいという考えは、実に理に叶っています。 合皮が誕生したのは19世紀中頃。 それから200年近い年月を経て、合皮は、ついに本革を越える域に達しています。 羊革の柔軟性と、牛革の耐久性を併せ持つようなソフトレザーのソファも、不可能な話ではなくなりました。 <羊皮なみのソフトレザーのソファ> ■合皮は通気性がない、は間違い
よく本革には通気性があり、合皮には通気性がないと言われたりしますが、これは誤った認識です。
合皮でもPCVには通気性がありませんが、PUは本革並みか、それ以上の通気性が確保されています。 その分、PUの方が触り心地も柔らかく、本革に極めて近い質感を実現しています。 <PU(ポリウレタン)を用いたソファ> ■耐久性勝負
革は、合皮に比べて圧倒的な耐久性を持っています。
近年になって、本革と同等レベルの耐久性を持つ合皮も誕生していますが、普及はまだまだで、価格も本革並か、それ以上に高価であったりします。 また、本物の革の場合、使い込むほどに馴染み、風合いが出たりもしますが、化学繊維である合皮にはそうしたことがありません。 この点では、文句なく本革の圧勝です。 しかしながら、ソファの場合は、中にあるクッション部も経年劣化します。 いわゆる「ヘタリ」です。 ウレタンフォームは再生しない物質なので、元にもどることはありません。 ある程度の年月を越すと、どんなに手入れされていようと、加重がかかる限りソファはヘタって来ます。 ウレタンフォームの経年劣化年数は、元々の素材や使用頻度にもよるので、一概に言えませんが、表面の本革よりも長期間もたせることはむずかしいでしょう。 それだけ本革が「耐久性に優れている」ということでもあります。 もし、ヘタってしまった場合、内部のウレタンを入れ替える以外には再生方法はなく、費用もかなりかかります。 これに対し、合皮の耐久年数は年々上がっており、ある程度の年数で買い替えると割り切れば、コストパフォーマンス上は、もともとが安価な合皮に軍配が上がるでしょう。 関連記事 |