フローレンス・ノールは、アメリカを代表する家具メーカーKnollに多大な貢献をした女性デザイナーです。
そのデザインはヴァルター・グロピウスやミース・ファン・デル・ローエ、マルセル・ブロイヤーに学んだもので、女流デザイナーとしてはアイリーン・グレイに匹敵するほどの実力を持っていました。

産まれたのは1917年のことですが、転機となるのは両親と死別してあのエーロ・サーリネンの父であるエリエル・サーリネンに引き取られた事でした。
彼ら二人の中で育ったことが、芸術の道へと進む影響を与えます。
ミース・ファン・デル・ローエと出会ったのは、アーマー工科大学(後のイリノイ工科大学)での大学時代のこと。
この時受けたモダニズムへの薫陶が、後にドイツ人のインテリアデザイナー、ハンス・ノールと結婚した時に、家具メーカーKnollを設立、独自のデザイン力を持つ企業に引き上げるきっかけとなりました。

Knollは「ノール・プランニング・ユニット」を率いて、建築と家具とを総合してデザインするアイディアで、オフィスインテリアに革命をもたらしました。
その代表作が、グランドコーナーソファなど一連のソファ群です。

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