マルセル・ブロイヤーはハンガリーで生まれつつ、ドイツ、アメリカなど各国を転々とした国際派のデザイナーとして知られています。

生まれは1902年のこと。
ドイツに移って、有名な現代美術学校であるバウハウスで学び、後にその教官(マイスター)ともなりました。
この時期に作ったのが、有名な「ワシリーチェア」です。
これは自転車のハンドルに影響を受けて創りだされたものと言われますが、スチールパイプで椅子をデザインするという考え方は、今日では広く一般的なものとなっています。

バウハウスがナチスの圧力で閉鎖されたあとは、彼はイギリス、そしてアメリカを転々とし、その生涯の残りを過ごします。
イギリスでは家具業者Isokonのために合板でロングチェアを設計するなど、家具関係の仕事を中心とし、アメリカでは最初は建築家ヴァルター・グロピウスと協力、のちに単独で建築活動を進めます。
アメリカではコンクリートの使用をその作品に取り入れ始め、特に1953年のパリのユネスコ本部設計では「彼はコンクリートで柔らかさを表現した」と賞賛されました。

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